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『ドグラ・マグラ』体験−終わらない舞台

「自分と言う存在が一番理解できない存在」と言うと少々陳腐だけど、それはやはりそうなのだと思う。

 

「私」それは「他人」に認知されてこそ存在する。「自身」は「私」が他人の内に存在している事を認知しようやく「私」を実感する事ができる。だから自己完結では「私」は成り立たず、生きている意義を見出すことなど出来るはずもない。「孤独」とは「私の不在状態」の事なのだろう。


「役者」という存在。「観客」という存在。も同じだろう。「役者」は「観客」、「観客」は「役者」に認知されることでその存在が明らかになる。もちろん「演劇」自体もそうだ。要するにこの世の全てがそうだ!存在が自己完結するなどない。であるから、僕と言う「自身」は今、「私の不在状態」にはないと同時に誰かしらを「私の不在状態」にしない存在となっていて、決して楽しい事ばかりではないが「幸福」な事だと断言できる。


演劇企画集団THE・ガジラ年間WS公演『ドグラ・マグラ』を観て、そんなことを思った。けれど、それは客席で考えていたことではない。むしろ客席では何も考えていない。ただただ目の前の世界に入り込んでいただけ。一瞬「これ以上、入り込んだら出られなくなる」というこれまでにない感覚を持ったほどに入り込んでいただけ。その時に体験した言葉、息づかい、蝋燭の灯、振り子時計の音・・・etc.が頭や腹の中でぐるぐると廻り、観劇後17時間経過した頃に不意に上記のような思いを形成した。僕の中に確実に『ドグラ・マグラ』が残っていて、きっとこの先も何かの拍子に何かを形成するのだろう。それは今回の思いとは全く異なるものかもしれない。いや、異なるものだろう。それが生まれた時に僕はそこに「正解か否か」ではなく、「私」の新たな断片を見てワクワクするのだろう。そして、そのすぐ後で「やられた!まだ続いていやがる、『ドグラ・マグラ』!」と出逢ってしまった不運と幸運に浸るのだろう。

 

僕が「お客にこんな思いをさせたい!体験させたい!」と言う事を、僕がお客として体験できた・・・本当にいい舞台でした。

 


書きながら、続きが湧いてきたので・・・それ↓


「私とは何者で、なぜ存在するのか?」と言う自問は思春期固有のものではない。はじめてこの自問をした時が自我の目覚めであり、そこからありとあらゆる人や物に触れて、抱えて、壊して、また触れて・・・と繰り返し「私」の断片を集めて行く。そこにはおおよそ誰しも何かしらの「欠落」が存在しているが、一方でそうと気付かない事も多々あると思う。そもそも「何が完成形なのか?」それを知らないからだ。だから「欠落」があると断言はできず、収集した「私」を認めたくないだけで「ないものねだり」の範疇かもしれない。しかし「完成形」を知らない以上、それもまた断言できるはずもない。「不安」とは「欠落の有無の不明」の事なのだろう。

 

生きて行くとは「孤独」と「不安」の中にいる状態で、そこから「抜け出したい」と足掻く事なのだろう。

 

それなのに!ここ数年間で出逢った者の中には「私」を「自身の中」のみに求め、見出し、「孤独」と「不安」を遠ざける事に必死になっている者が少なくない。初めて目にし、触れているのだから「出来ない私」「わからない私」とは当たり前に出逢うにも関わらず、それらの「私」を認めようとはしないで「自身の中」でのみ消化しようとする。なので一向に「出来る私」「わかる私」には近づく事が出来ず、その果てに「此処は自分の求めてる場所ではない」「それは自分の考えているものとは違う」と安易に納得できそうな理由を持ち出す。

 

それはそれで、「孤独」と「不安」の中にいる状態で、そこから「抜け出したい」と足掻いている姿なのかもしれない。それでも、どうしても違和感がある。そして、それを「処世術」だと信じさせてしまった「自身」の周りにいる「他人」に憤りを覚える。以前、僕の作品を観劇した方に「憤り、怒りが創作のエネルギーなんですね」と言われた事があるが、劇団を持ち続ける事もそうなのかもしれない。いや、以前は決してそんなことを思っていたわけではないが、ここ数年は「私」として自覚して始めているのだろう。だから「出来ない私」「わからない私」をどうにかして認めてもらいたいと、僕も足掻く。

 

「孤独」と「不安」の中にいる「迷い子」たちが集まって来る。まさに「迷子の遊園地」。まさに類は友を呼ぶ。放っておけるはずもない。その出逢いが劇的な変化に繋がるかどうかは誰にもわからない。わからないが出逢った瞬間に「私の不在状態」に変化が生まれていることは確かで、互いの「私」の断片が一つ増える。それらを繰り返し、僕たちは成長をしてゆく。早いか遅いか・・・速度は問題ではない。年齢も問題ではない。今の「私」を認めたくないだけで「ないものねだり」の範疇と映ろうとも、僕たちは「私」を諦めない。「未完成」だからこそ未来があり、希望を抱く。今度は僕たちが作り手としてお客に体験させる番だ。

 

 

幕が降りても決して終わらない。『ドグラ・マグラ』・・・本当にいい舞台。

 

 

迷子の遊園地オフィシャルサイト

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公演情報

旗揚げ20周年記念公演
[浜松公演]2017.10.28(sat)-29(sun) 木下惠介記念館
[静岡公演]2017.11.25(sat)-26(sun) あそviva!劇場

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