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朗読ライブを終えて、まず

「絵描き・さおり初個展」&「朗読ライブ温故知新」の全日程を終了しました。ご来場の方、会場スタッフ、参加者、関わって下さった、気にかけて下さった全ての方々に感謝申し上げます。

 

開催を決め参加者公募したのが5月6月、7月から稽古開始。当然、その時点でも「対コロナ」については話しをして準備を進めて来ましたが、当時の浜松市の陽性判明者数は週間で50人程度で正直「シリアスな状況下」での開催はイメージしづらいものでした。ところが、やはり昨年同様に季節性の要素もあり夏になり数字が増え始め、それはこれまでにない急カーブを描き、何処となく"他所事"だった「まん延防止等重点措置」「緊急事態宣言」と瞬く間に状況はシリアスなものになって行きました。

 

稽古場として利用していた公共施設の利用可能時間が21時半から20時までに短縮され、それは日中は定職についている者が多い座組にとっては「平日夜の稽古がほぼ開催不可能」を意味しました。もともと「稽古中に食事をする機会を避ける」ということもあり、週末の稽古も昼過ぎからでそれを午前中からにするのは本末転倒で、結果想定より遥かに稽古時間が短くなりました。「まん延防止等重点措置」から「緊急事態宣言」に移行した時点で期限が8月末から9月12日となり、本番の会場の利用可能時間も短縮になりタイムスケジュールの変更も必要になりました。

 

しかし、このような事は「大きな影響」とは言えません。「閉鎖」でない以上はこちらが対応する余地がありますし、数字として明確な変更ですので、どう対応するかも選択肢も含め明確です。問題は「開催可否」も含めた「コロナ対策」です。

 

「緊急事態宣言」下で規制がかかるのは大規模イベントです。しかし、小規模イベント、極小イベントも「緊急事態宣言」という現実を無視するわけには行けません。いや、顔を見知っている距離だからこそ「やり逃げ」など出来ないのです。

 

そこでまずは準備していたコロナ対策を見直し、朗読ライブでは演者もマスク着用、演出として「窓を開ける」を取り入れて換気を実施(機械換気は常時実施は既定)を「緊急事態宣言」移行時点で決めました。しかし、その後も陽性者数の状況は上昇トレンドでしたのでさらに演者・スタップの抗原検査、チケット予約の早期締切を追加し、予約者に対してはマスクは不織布マスクで、と連絡を入れました。

 

元々1月に同会場で開催した時よりもさらに客席間を取り客席数を減らしていたので早期締切は収入面で大きな痛手で、実際にはほぼ埋まっていた状態からキャンセルが発生しそれを埋める事がないので、最終的に当初の2/3程度の集客となりました。

 

このように変化する状況に対応して行くと、当然に「そこまでしてなぜ開催する」という自問にぶち当たります。ですからついつい"安心材料"になるような情報を探し、そこにすがろうとします。でもそれは"大きな落とし穴"。ですから「迷ったら厳しい方」を肝に命じて情報を集めながらの思考と対応を繰り返すことに心掛けましたが、キツイのはキツイです。それでもそれが「コロナ禍」でイベントをやる為の不可欠な段階なのだと思います。

 

そんな中で自身について知った事があります。自分は「いつでも演劇は辞められる」と何処かで思っていたし「芸術(家)に憧れはあっても、それとは異なる生き方(生き物)」だと思っていましたが、意外とそうではない。ということです。好き嫌いではなく、不可欠で重要な事なんだな、ということです。なので辞めるにしろ、その判断は私という人間の人生(命)を左右する判断なんだな、ということです。そして、それは社会の中に生きている以上、他者に影響を与え、その人の人生(命)を左右する事もありうるわけで、私も、誰もが簡単な決断などないのだな、ということです。それを理屈ではなく、肌感覚として実感し、一層に「実施する」という決断の重さがドンとのしかかったのです。

 

ですから、誕生日にやった配信で「いま公演をやろうかどうか迷っている人があるなら『お勧めしない』です」と語りました。相当の鈍感でない限り(そもそも相当の鈍感な者は演劇等の芸術はやらないだろうと思います。金儲けは別ですが)自己否定的な自問の繰り返しですから。そして、幾らそんな事を言ってもやる者はやるのです。相当の覚悟を持ってやるのです。それはコロナ禍でも平時でも変わりはありません。常に自分の存在や行いに「無意味さ」を感じながらも「意味あるものを!」とその人生(命)を賭しているのですから。

 

それはもちろん、芸術分野に限ることではありません。会社員でも自営業でも、どんな職種でも、学生でも、誰もがそうなのです。そしてその自問に絶対解はありません。常に状況は変化し、想いも変化します。ただ一つハッキリしている事は、迷うも、考えるも、求めるも、全て生きているからこそ、命あるからこそなのです。正直、こんなにも「命」と向き合ってイベントの開催云々を考えた事はありませんでしたが、それはコロナ禍だからではなく、これまでが"お気軽過ぎた"のだと思っています。

 

 

実施しているWEBアンケートに『コロナ禍での小規模開催の雛形としての本公演の意義は大いに感じました』と送られてきました。それは一つの"答え"ですが、何かが解決したわけでも、終わったわけでもありません。まずはニ週間。皆さまが健康である事を願い、万一に備えてまいります。

 

これを読んで下さった皆さまも、どうか心穏やかに、ご自愛してお過ごしください。


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